研究課題/領域番号 |
21590645
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
森實 芳仁 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (00466210)
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研究分担者 |
芝崎 太 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (90300954)
黒井 克昌 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30231301)
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キーワード | トランスレーショナルリサーチ / 臨床 / 癌 / バイオマーカー / 診断 |
研究概要 |
昨年度より引き続き、新規診断法確立のためのMUSTag法の改良及び民間企業との共同研究による新たな診断機器・計測法の開発に取り組みつつ、実際の臨床検体を用いて各種疾患に関与するバイオマーカーを標的とした小規模な臨床研究を開始した。 1.MUSTagアッセイ用検出機器の共同開発 昨年度開発に成功した超高速PCR機器はMUSTagアッセイに要する時間の飛躍的な短縮を実現させたが、現状では同時に処理可能な検体数が少なく未だ実用的ではない。今後は大規模臨床治験にも耐えうるよう、処理能力及び測定精度の向上が課題となる。 また本年度は、MUSTag法の標識技術をイムノクロマト検出法に応用した、簡便・迅速かつ超高感度な蛍光・発光イムノクロマト検出系(IMPACTag法)の開発を行い、従来の発色法の100倍以上の感度向上に成功した。今後は民間企業と連携して検出用機器の開発を進めつつ、新型インフルエンザ等の感染症診断への応用を計画している。 2.アッセイ法の改良(高感度化・簡便化・高速化・多項目化) 磁気ビーズを抗体の固相担体に用いるMUSTagアッセイ系の開発により最大10倍程度の高感度化が得られた他、血清等の臨床サンプルを用いた実験において、従来の反応系よりも非特異的反応を低減できることも明らかになった。今後は誤差の低減を中心にアッセイ系の最適化を行いつつ、自動化や多項目測定への応用、及び臨床診断への実用化を目指す予定である。 3.MUSTag法を用いた臨床サンプル中の各種疾患関連バイオマーカーの測定 MUSTag法を用いた小規模臨床試験により、膀胱がんや運動機能関連疾患等の診断に有用なバイオマーカーの選別・検定を開始している。来年度はより大規模な臨床治験への応用を試み、最終的にはMUSTag技術の臨床診断薬としての厚労省認可、もしくは民間企業への技術導出を目指す。
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