研究課題
本研究では既に構築した700例以上の肥満/メタボリック症候群(MetS)データベースを基に、ヒト単球採取・機能解析法を確立し、肥満・糖尿病・MetSにて(1)単球機能と肥満度・脂肪組織内炎症反応、既知の心血管病CVDリスクとの関連、(2)インスリン抵抗性改善薬の単球機能改善効果を検討し、脂肪単球連関の分子基盤の解明と有効な治療法の確立を目指した。1)肥満・MetSの前向きコホート集団における検討:肥満例の末梢血単球では、非肥満例に比しM1マーカー(TNFα,IL-6)の発現上昇やM2マーカー(IL-10)の発現低下、更に肥満合併糖尿病例では、肥満・非糖尿病例に比しM2マーカー(IL-10,CD163)が有意に低下していた。肥満者中MetS群では非MetS群よりもM2マーカー(IL-10,CD163)の低下を認めた。多変量解析では単球中M2マーカーの独立した関連因子はIRI、HbAl_Cと動脈硬化指標・PWVであり、PWVの独立した関連因子は年齢と低CD163であった。肥満・糖尿病・MetSの単球中M1/M2の質的変化が動脈硬化・CVDリスク進展に関与する事が示された(Diabetes Care 33 : e7, 2010)。2)インスリン抵抗性改善薬の単球機能改善効果:我々は既に、PPARγリガンドであるインスリン抵抗性改薬(TZDs)によるPWV改善など抗動脈硬化作用を報告している。今回、肥満・糖尿病・MetSにおけるTZDsの3ヵ月投与により、糖脂質代謝やPWVの改善と伴に、単球中M2マーカーの上昇やM1マーカーの低下など単球機能の改善が有意に認めた(Diabetes Care 33 : e7, 2010)。以上、肥満・糖尿病・MetSにおける単球機能改善を標的とした新しい早期動硬化進展(preclinical atherosclerosis)の検出や心血管病予防/治療戦略の可能性が示唆された。
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