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2010 年度 実績報告書

カドミウムと環境化学物質の複合影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590651
研究機関富山大学

研究代表者

稲寺 秀邦  富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (10301144)

キーワードカドミウム / アポトーシス / 化学物質
研究概要

本研究はカドミウムと環境化学物質の複合影響について実験的に明らかにすることを目的としている。わが国は環境中のカドミウム濃度が高値であり、環境中から常に低濃度のカドミウム曝露を余儀なくされており、生体が低濃度カドミウムに曝露された際に、他の環境化学物質に対する感受性を検討することは重要な課題である。
高濃度カドミウムは、細胞に対してアポトーシスを誘導する。そこで平成22年度は、ヒトリンパ腫細胞株U937細胞を用いて、低濃度カドミウムで前処理した時の高濃度カドミウム誘発アポトーシスに対する感受性の変化について検討した。ヒトリンパ腫細胞株U937細胞はアポトーシスに対して感受性が高く、50マイクロモルの塩化カドミウムを12時間添加するとアポトーシスが誘導される。その分子機構として、細胞内reactive oxygen species (ROS)の上昇、JNKのリン酸化、カスパーゼ3の活性化が関与していることが明らかとなった。
U937細胞をあらかじめ、アポトーシスを誘導しない1マイクロモルのカドミウムにて72時間前処置すると、50マイクロモルのカドミウムにより誘発されるアポトーシスに対して抵抗性を獲得した。その分子機構を検討すると、カドミウムの前処置により、ROSの産生とJNK活性化が抑制されることが明らかとなった。さらに細胞のアポトーシスに対する感受性に影響を与える、Bcl-2ファミリー遺伝子の発現が変動することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Hyperglycemia perturbs biochemical networks in human trophoblast BeWo cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Inadera H., Tachibana S., Takasaki I., Tatematsu M., Shimomura A
    • 雑誌名

      Endocr.J.

      巻: 57 ページ: 567-577

    • 査読あり
  • [学会発表] 有害化学物質の生体影響評価のためのDNAマイクロアレイの構築2010

    • 著者名/発表者名
      稲寺秀邦,橘信二郎,崔正国,下村明子
    • 学会等名
      第80回日本衛生学会学術集会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2010-05-10

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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