研究課題/領域番号 |
21590657
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
福島 哲仁 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90208942)
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研究分担者 |
神田 秀幸 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80294370)
早川 岳入 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50362918)
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キーワード | パーキンソン病 / マンガン / 重金属 / 環境曝露 / 患者対照研究 |
研究概要 |
中国における我々のこれまでの疫学研究結果から、パーキンソン病患者の血中のマンガンと鉄の濃度がコントロールと比較して有意に高いことが明らかとなった。一方、血清銅、亜鉛濃度は差が認められなかった。これら重金属の食品からの摂取には差が明確ではなかったため、飲料水からの摂取量の違いを検討した。研究対象者の居住地を調べたところ、パーキンソン病患者82名中、都市部39名、農村部20名、境界あるいは判定できない地域23名であり、対照者82名中都市部57名、農村部12名、境界あるいは判定できない地域13名であった。パーキンソン病患者は、農村部あるいは境界地域に多く、対照者は都市部に多かった。農村地域の飲料水は、水道以外に井戸水や雨水、河川水など多岐に渡るものと想像されるため、今年度は、都市部の水道水に絞って複数の末梢水中の重金属の測定を行った。 中国湖北襄樊市第一人民医院がある中国湖北省襄樊市内78カ所の末梢水の各重金属濃度を、平均値±標準偏差で表すと、鉄が0.029±0.041mg/L、マンガンが0.017±0.050mg/L、銅が0.006±0.004mg/L、亜鉛が0.019±0.062mg/Lであった。日本の水道法に基づく飲料水水質基準値、鉄0.3mg/L、マンガン0.05mg/L、銅1.0mg/L、亜鉛1.0mg/Lを超過するサンプルは、78サンプル中マンガン3地点(0.39mg/L、0.22mg/L、0.051mg/L)のみで、鉄、銅、亜鉛はすべて基準値未満であった。 以上の結果から、中国の対象地域における都市部の飲料水の殆どは問題のない水質であり、今後農村部に調査範囲を広げるとともに、大気汚染のデータ収集、血中と尿中の重金属を比較することによる体内動態からの考察を深めて行く予定である。
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