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2009 年度 実績報告書

低酸素環境が一過性血圧低下時の脳血流回復能力に与える影響に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590667
研究機関日本大学

研究代表者

岩崎 賢一  日本大学, 医学部, 教授 (80287630)

研究分担者 青木 健  日本大学, 医学部, 助教 (60332938)
小川 洋二郎  日本大学, 医学部, 助教 (60434073)
キーワード環境 / 生理学 / 脳血流自動調節 / 低酸素 / 失神
研究概要

軽度低酸素環境での失神の発生機序の一つとして、一過性の血圧低下に対する脳血流の調節・回復能力の低下が関係すると考えられるが、低酸素がこれらに与える影響については未だ検討されていない。そこで平成21年度は、動的脳血流自動調節の悪化が最も顕著であると予想される30分程度の低酸素環境曝露時に、大腿カフ解除法により惹起された一過性の血圧低下に対する脳血流の低下の程度及びその回復率を評価した。さらに、血圧変動に対する脳血流速度の割合をTransfer Function Analysisにて解析する方法も用いて脳血流自動調節機能を、変動のスピード別に評価した。その結果、Transfer Function GainとCoherenceは、ゆっくりとした変動部分である超低周波数帯(0.02~0.07Hz)においてのみ、常酸素環境に比べて統計的に有意に高い値を示した。つまり、ゆっくりとした血圧変動に対しては脳血流も大きく変動し、自動調節機能が悪化したと考えられた。一方、大腿カフ解除法により惹起された一過性の血圧低下に対する脳血流の低下の程度及びその回復率は、常酸素環境に比べて、統計的に有意な変化はなかった。これは、大腿カフ解除法による血圧の低下が速く、Transfer Function Analysisの結果と解離した(速い変動の高周波数帯の結果と一致した)ものと考えられた。つまり、低酸素環境の動的脳血流自動調節に与える影響は、血圧変動のスピードにより異なり複雑であること、また、評価方法の違いにより結果を慎重に解釈する必要があることが明らかとなった。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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