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2011 年度 実績報告書

ディーゼル排気粒子による酸化ストレスのマウス肺線維症病態への寄与に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590668
研究機関日本医科大学

研究代表者

李 英姫  日本医科大学, 医学部, 講師 (60350039)

研究分担者 川田 智之  日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00224791)
吾妻 安良太  日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
稲垣 弘文  日本医科大学, 医学部, 講師 (50213111)
平田 幸代  日本医科大学, 医学部, 助教 (40322515)
キーワードディーゼル排気粒子(DEP) / ブレオマイシン(BLM) / 肺線維症 / Nrf2
研究概要

H23年度は、C57BL/6、Nrf2+/+、Nrf2-/-マウスを用いて行ったH22年度の実験I*により採取した気管支肺胞洗浄液(BALF)サンプルを用いて炎症性サイトカイン含有量の測定を行った。その結果、BLM投与7日目に、Nrf2-/-ではNrf2+/+に比較し、BALF中のTGF-βの含有量が有意に上昇した。また、実験II*各群のBALF細胞の分画算定、および炎症性サイトカインの含有量の測定を行った。その結果、BLM肺線維症モデルにおいて、DEP曝露により総細胞数とマクロファージはいずれのマウスにおいても増多したが、Nrf2-/-ではNrf2+/+に比較し、DEP貪食したマクロファージが有意に多かった。好中球数はNrf2-/-で有意に増多した。BALF中のTGF-βの含有量はNrf2-/-で減少する傾向が見られた。
実験Iの結果により、Nrf2はBLM肺線維症病態を制御する主要因子と考えられ、肺線維症のリモデリング病態に関わる可能性が示唆された。実験IIの結果により、DEPの曝露実験系において、Nrf2の欠損はマクロファージの貪食機能を低下させ、好中球による炎症病態を増悪させる可能性が示唆された。本研究では、DEPが肺線維症病態を増悪することを確認し、Nrf2はその増悪病態を制御するキーファクターであることを示した。肺線維症病態に係る分子、抗酸化酵素の肺組織での発現、HOP測定は本課題最終段階での検討中であり、結果が出次第論文にまとめる予定である。
*実験I:BLM(80mg/kgBW)を経尾静脈的に1回投与し、0,3,7,10,14,21,28日目にBAL施行。*実験II:DEP曝露実験:Group1:生食水投与群;Group2:DEP単独曝露群;Group3:BLM投与群;Group4:BLM投与4週間前からDEP曝露群;Group5:BLM投与同時からDEP曝露群。各群において、BLM(80mg/kgBW or 生食水)を経尾静脈的に1回投与後10日目にBAL施行;蛋白・RNA解析のため肺組織を-80℃凍結保存。BLM投与後28日目に、肺病理組織標本を作製、Hydroxyproline含有量を測定のため肺組織-80℃凍結保存。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] DEPの気道上皮細胞の遊走、および上皮(EMT)に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      李英姫
    • 学会等名
      第82回日本衛生学会学術総会
    • 発表場所
      京都大学吉田キャンパス
    • 年月日
      2012-03-25
  • [学会発表] Nrf2欠損マウスにおけるブレオマイシン肺線維症病態2011

    • 著者名/発表者名
      李英姫, その他
    • 学会等名
      第51回日本呼吸器学会学術講演会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム/呼吸器学会雑誌2011;49:243)((震災の為、紙面発表)
    • 年月日
      20110422-20110423
  • [学会発表] Disruption of Nrf2 enhances susceptibility to pulmonary fibrosis induced by bleomycin in mice2011

    • 著者名/発表者名
      Li YJ, et al
    • 学会等名
      21^<st> European Respiratory Society
    • 発表場所
      RAI (Amsterdam)
    • 年月日
      2011-09-25
  • [備考]

    • URL

      http://www.nms.ac.jp/nms/dhph/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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