研究課題
1.ヒト不活性型グランザイム3前駆体(Progranzyme3)に対するモノクローナル抗体の作製昨年度の結果に基づき、Progranzyme3に対する高感度ELISA法を確立するため、新たにモノクローナル抗体を作製した。既報に従い、活性型Granzyme3を調製したのと同様の方法を用いて、Progranzyme3を大腸菌に発現させ、イオン交換、ゲルろ過、ヒドロキシアパタイトの各カラムクロマトグラフィーを用いて精製した。次に、精製したProgranzyme3をBALB/cマウスに免疫し、既報に従ってモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ株を10株確立した(G3HP01-12)。2.Progranzyme3に対するサンドウィッチELISAの確立上記で作製した抗Progranzyme3モノクローナル抗体と、以前作製した抗活性型Granzyme3モノクローナル抗体の中からいくつかを選択して組み合わせ、Progranzyme3に対するサンドウィッチELISA系を作製した。それらの一つ、G3H61とG3HP08抗体を用いたELISAは、活性型Granzyme3にはほとんど反応せず、Progranzyme3に特異的であった。また、検出限界は約20pg/mLであった。これまで、Progranzyme3に対するモノクローナル抗体やサンドウィッチELISAの報告は無く、今後の応用が期待される。3.ヒト血漿中Progranzyme3の検出 昨年度の活性型Granzyme3に対するELISAと同様にして、8名の健常人より採取した血漿について、上記ELISAを用いて検出を試みた。その結果、健常人血漿中のProgranzyme3は、検出限界に近いレベルであると推測された。しかし、ELISAを妨害する物質が血漿中に含まれている可能性が考えられ、平成23年度は、まずこの点から研究を進めたいと考えている。
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