ルチル型二酸化チタン原粉から平均径55nmのナノ粒子を作製し、ラットの気管内に0.2mg、0.5mgの投与量で注入を行った。気管内注入後、経時的に肺、肝臓、腎臓、脾臓、血液の粒子量の定量を行った結果、肺からの排泄速度は0.2mg、0.5mg注入群で、それぞれ半減期3.4ヶ月、3.9ヶ月で順調に排泄されていた。血液、肝臓、腎臓、脾臓のチタン量については、チタンはほぼ定量下限以下であった。血液、気管支肺胞洗浄液中の総細胞数、好中球数は、正常ラットとほぼ差異はなかった。肺の病理組織観察では、炎症惹起作用は非常に軽度であり、線維化や細気管支ないし肺胞上皮の増殖性変化は、認められなかった。
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