研究課題/領域番号 |
21590681
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 昭彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (60375045)
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研究分担者 |
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
石田 孝宣 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00292318)
栗山 進一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90361071)
河合 賢朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 客員准教授 (80513530)
甘利 正和 東北大学, 病院, 講師 (50400312)
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キーワード | 乳がん検診 / 地域がん登録 / 生存率 / Kaplan-meier / Log-rank検定 / 視触診 / マンモグラフィ |
研究概要 |
本年度は当初の研究計画に則り研究を継続開始した。1995年4月1日から2002年12月31日までに宮城県対がん協会にて乳がん検診を受診した126,537人(のべ358,242人)の受診者名簿を宮城県地域がん登録と照合し、検診受診から二年以内に初発乳がんと診断された996症例を抽出し、さらに視触診単独群、マンモグラフィ併用群に分けて検討した。結果、視触診単独群の検診発見がんが332例、視触診単独群の中間期がんが215例、マンモグラフィ併用群の検診発見がんが366例、マンモグラフィ併用群の中間期がんが83例であることを確認した。また、同時期に検診以外で診断された乳がん症例は3,047例であった。これらの乳がん症例を2007年12月31日まで追跡調査して生存の有無を確認、平均追跡率98.9%、観察期間中央値97.4カ月における乳がん死亡例は、視触診単独群の検診発見がんでは26例、視触診単独群の中間期がんでは31例、マンモグラフィ併用群の検診発見がんでは9例、マンモグラフィ併用群の中間期がんでは9例であった。これらの結果をもとに各モダリティ別の生存率をSAS Version 9.2を用いてKaplan-meier法による分析を行ったところ、5年生存率は視触診検診群で92.7%、マンモグラフィ検診群で96.8%、検診以外の診断例群で86.6%であり、Log-rank検定にて各群間に統計学的に有意差を認めた。すなわち、中間期がんを含めた検討においても、マンモグラフィ検診群の生存率は視触診検診群、自己発見群に比較して良好であり、マンモグラフィ検診の有効性を示唆する結果となった。今後は中間期癌のデータベースを作成し、中間期癌を減らすべく資料の作成を行う。
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