研究課題/領域番号 |
21590681
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 昭彦 東北大学, 病院, 講師 (60375045)
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研究分担者 |
大内 憲明 東北大学, 病院, 教授 (90203710)
石田 孝宣 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00292318)
栗山 進一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90361071)
河合 賢朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80513530)
甘利 正和 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50400312)
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キーワード | 乳癌検診 / 中間期がん / マンモグラフィ / 地域がん登録 |
研究概要 |
上昇する乳癌死亡率を減少させるには、マンモグラフィ検診の充実は必須である。しかし、読影精度は個人の力量に大きく依存し、特に中間期癌として発見されるがんは所見の判断が困難な症例が多く、一般検診医では充分な精度を維持できない。検診受診率を50%以上に上げ死亡率低下を目標とする以上、精度管理の面から難しい症例を一般の医師が判断できるように支持するシステムの構築は必須であると考えられる。本研究では地域がん登録を用いて検診発見がん、中間期がん、一般の外来発見がんの網羅的な予後調査を行い、乳癌死亡率の低下を含めた検診の有効性の評価を行った。死亡率に関するデータは、観察期間が短く明らかにできなかったが、発見がんの進行度を比較するとマンモグラフィ検診発見がん、マンモグラフィ中間期がん、視触診検診発見がん、外来発見乳がんの順番で早期がん比率が高く、マンモグラフィ検診の有効性が示唆された。中間期発見がんとその他の発見がんを比較した臨床特性に関する研究は、現在投稿準備中である。 中間期がんの画像データは現在も集積を継続しているが、地域がん登録の性格上、がんの診断治療を行った医療機関への逆紹介は不可能であり、効率よく症例を集積することができない。自験例を中心に、中間期がんとなったマンモグラフィ画像を検討し、中間期がんには一定の割合で検診時に診断できた可能性のある症例(見落としの可能性が日的できない症例)が存在し、指摘できた所見は乳房後隙や乳房下部、乳房頭側の比較的辺縁といえる付近に多いことが明らかとなった。データベースとするには症例の更なる集積が不可欠であるが、現時点では画像研究会などで一般の検診医に結果をフィードバックし検診精度の向上をはかっている。
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