研究課題/領域番号 |
21590685
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
佐藤 美理 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (10535602)
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研究分担者 |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
鈴木 孝太 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (90402081)
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キーワード | 思春期 / 抑うつ / 起立性調節障害 / 学校保健 |
研究概要 |
思春期での抑うつ症状と起立性調節障害(OD)は、その後の青年期、成人期の生活習慣や健康状態に強く影響を与えることが明らかとなっている。近年、これらの有病率の上昇が報告されており、その対応が医療機関や学校保健において、重要な課題となっている。抑うつやODは、思春期での生活習慣や発育が関連要因として指摘されているが、結論は得られていない。 本研究の目的は、生物学的要因・心理社会的要因・ひいては出生からの親子関係・養育環境・家庭環境といった要因を現在進行中のバースコホート研究を基礎に、新たな追跡調査を加え、多方面から検討することで、思春期の抑うつ症状とODに影響を及ぼす要因を明らかにすることである。 今年度は、山梨県甲州市の小学4年生から中学3年を対象に、抑うつ状態やOD、生活習慣の調査を行い、学校保健簿から身体データの抽出を行った。横断データの解析により、睡眠やインターネットの使用方法とメンタルヘルスに関連があることが、明らかとなった。さらに、前回の調査のデータとリンケージすることにより、肥満傾向が抑うつ症状に及ぼす影響も明らかとなった。 また、甲州市母子保健縦断調査の乳幼児健診時のデータとリンケージを行い、幼少期の生活習慣と思春期でのODの発症との検討を行った。その結果、3歳時の睡眠スタイルと思春期でのOD発症の間の関連が明らかとなった。就寝時刻が遅く、起床時刻も遅い児は、これらが早い児に比べて、OD発症のオッズ比が、約2倍となった。本研究では、先行研究で、交絡因子であると示唆されている母親のメンタルヘルスについての調査を行わなかったので、遺伝的影響等を考慮にいれていない。したがって、次回の調査においては、保護者への調査も考慮に入れて、計画を行っている。
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