近年、メタボリックシンドロームの重要性の認識が高まっている。本研究は、いわゆる「中年太り」に注目し、動脈硬化進展度との関連を明らかにすることを目的としている。過去に無作為抽出で選ばれ、潜在性動脈硬化度および関連因子の精密検査を行った40歳男性一般市民約300名を対象として、動脈硬化進展度および関連因子の追跡調査を行い、中年期の肥満の進展・腹部内臓脂肪分布・動脈硬化進展度・危険因子の関連を探索的に明らかにしようとしている。平成21年度より3年間の研究期間を設定し、初年度は調査の実施および解析に向けての事前準備、平成22年度にデータ解析、平成23年度に総括および成果公表を行う予定としている。したがって、研究計画に合わせ、予算配分を平成21年度に全体の約2割、平成22年度に約7割、平成23年度に1割未満としている。 本年度は当初の予定通り、追跡調査を実施した。追跡調査自体は他の研究費で行われている。平成21年12月までに80%あまりの追跡率をもって調査を完了した。また、国際共同研究であるピッツバーグ大学でも、現在、同様の追跡調査を実施中である。本研究費により、解析実施のためのデータベース構築の準備、米国共同研究者との標準化のための打ち合わせ(平成22年1月にピッツバーグ大学を訪問し、会議を実施)、情報収集を行った。実際にデータを整備・解析して成果公表を行うのは平成22年度以降になる見込みである。
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