研究課題
平成21年度の大阪府北部の北摂地域における医療機関および保健所ベースで結核患者の発病、受診、診断、治療に関わる調査を行った。それに引き続き、本年度は検討対象地域を関西に広げて結核の医療および行政の担当者に研究協力者となっていただき、調査と分析を行った。具体的には大阪市西成区および大阪市全体、兵庫県、和歌山県、滋賀県における結核の現状と保健医療システムについてまとめて報告、その取りまとめを行った。兵庫県は県域が広いが保健所間の結核対策の統一性を高める作業を行っていること、大阪市は全国一罹患率が高いことを脱するため現状分析に基づきすべての結核患者に対応するために基本指針を策定していること、和歌山県では県域が広く、医療状況に格差があるため結核専門機関が中心となって診断治療の水準を維持していること、滋賀県においては増加してきている外国人労働者に対する結核対策を進めている状況にあることを報告していただき、その現状を取りまとめた。わが国の結核罹患率は低下してきているが、中国など周辺国はまだ結核の罹患率が高い状況にあり、結核対策にはグローバルな視点をもった対策が必要になってきている。そこで、関西の結核対策を世界の視点で進めていくために、WHOの結核対策の基本戦略とされているストップ結核パートナーシップ戦略を関西地域の結核対策の戦略として位置づけるため、行政、医療、企業、民間団体に参加していただき国際シンポジウムの開催し、低まん延時代の結核対策を推進する組織のあり方の検討をはじめた。
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BMC Infectious Diseases
巻: (http://www.biomedcentral.com/1471-2334/11/22)(電子媒体)
かけはし(けんぼれん大阪連合会)
巻: 465 ページ: 10-11