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2011 年度 実績報告書

低まん延下における結核の保健医療システムに構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590692
研究機関関西大学

研究代表者

高鳥毛 敏雄  関西大学, 社会安全学部, 教授 (20206775)

キーワード結核 / 低まん延 / サンフランシスコ / DOTS / アドボカシー / 大都市
研究概要

わが国の結核対策は結核高まん延状況下の結核対策は全国画一的な対策で一定の成果があげてきたが、結核罹患率が低下し低まん延状況になるにつれて、患者の地域的偏在、社会的偏在、医学的な合併症を持つ高齢者や身体的弱者への偏在などに直面し、その現実あわせた対策が必要となってきている。すでに低まん延状況となっている欧米の大都市では患者の実態に合わせた対策に転換している。
本年度は米国のサンフランシスコ市における現実対応型の結核対策の現状について調査し、わが国の結核対策あり方を示すことを計画し、実施した。サンフランシスコ市の対策のポイントは結核対策を患者の問題解決を行うことを目的として、問題解決のための専門施設・組織(TBC linic)を整備する、また様々な問題を抱えている人々に対応するスタッフの育成し、配置に努力していた。結核対策に関わる新技術や新しいやり方を積極的に導入していた。たとえば発病前の結核感染者対策のために新しい免疫診断法を積極的に導入し、発病予防対策に重点を移し、実効性のある対策に工夫して進めていた。その他には、専門医療機関との連携、結核のアドボカシー組織との連携など地域の資源を活用した対策を進めていた。
わが国も低蔓延下の中で大都市においてはHot Spotと言われる高罹患地域が存在し、問題解決型の結核対策への転換が必要となっている。特に結核問題の認識が低下してきており結核問題のアドボカシー活動にも力を注ぐことが必要となっている。
本研究の一環として、行政、医療の関係者に加え、企業、民間団体、一般市民も参画した結核問題のアドボカシーを推進する組織づくりとその実践活動を行うこともした。本研究の推進とあわせて、全国一結核罹患率の高い大阪市西成区の結核対策の推進体制づくりや、大阪府の結核対策予防計画、大阪市の結核対策基本指針の中に本研究の成果を反映させるアドボカシー活動にも力を注いだ。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 公衆衛生の流れを変える結核対策2012

    • 著者名/発表者名
      高鳥毛敏雄
    • 雑誌名

      結核

      巻: 87巻 ページ: 397-380

  • [雑誌論文] 公衆衛生の現場知と専門知2011

    • 著者名/発表者名
      高鳥毛敏雄
    • 雑誌名

      公衆衛生

      巻: 75巻 ページ: 662-667

  • [雑誌論文] 社会安全を支える公衆衛生組織と人材育成2011

    • 著者名/発表者名
      高鳥毛敏雄
    • 雑誌名

      社会安全学研究

      巻: 1巻 ページ: 27-40

    • 査読あり
  • [学会発表] 低蔓延時代の結核医療の課題2011

    • 著者名/発表者名
      高鳥毛敏雄
    • 学会等名
      第52回日本社会医学会総会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2011-07-24
  • [学会発表] 低蔓延下の結核対策の課題-普遍化と質保証-2011

    • 著者名/発表者名
      高鳥毛敏雄
    • 学会等名
      第86回日本結核病学会総会
    • 発表場所
      日本教育会館(東京)
    • 年月日
      2011-06-02

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公開日: 2013-06-26  

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