研究課題
本研究は、母子保健における大きな課題の一つである先天性異常、その中でも頻度の高いダウン症候群の発症における葉酸およびその代謝関連因子の関与を明らかにし、ダウン症候群発症のリスク低減に向けたエビデンスの確立を目指すものである。本年度は、従来の遺伝子解析を継続すると同時に、各世代における遺伝子多型とホモシステインの関連をみるために、新生児、母親、さらに祖母の三世代におけるサンプリングを行い、次年度における遺伝子抽出、遺伝子多型調査に備えている。サンプリングはすでにすべての世代で終了しており、今後はSNPS解析によって各世代における遺伝子多型とホモシステイン、及び関連因子との関連について、調査を行う。現在、染色体DNAを用いてCGH (Comparative Genomic Hybridization)法による染色体上におけるダウン症候群発症関連領域の網羅的な解析を行い、統計学的解析によって赤血球中葉酸濃度をはじめとするそれぞれのダウン症候群発症リスク要因についてのOdds比を算出し、リスクファクターの重み付けを行っている。以上の結果を元にして、血球中葉酸濃度やMTHFR遺伝子多型がDown症候群発症のリスクファクターになることが確認されれば、エビデンスに基づいたダウン症候群の予防にむけたガイドブックを策定する。さらに長崎県下において地方自治体とも連携して母親学級等を通じた葉酸摂取の重要性について普及、啓蒙活動に供すると同時に、妊娠女性における赤血球中葉酸スクリーニングの実施に向けた準備を開始する。
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