研究課題
脂肪酸代謝異常心肥大マウス(JVSマウス)を用い以下の実験を試みた。野生型オスマウスとヘテロ接合体メスマウスを交配し、野生型マウスとヘテロ接合体マウスを得、遺伝子診断にて区別を行った。3週令で離乳し、普通食と脂肪食で、それぞれ飼育した。用いた飼料のカルニチン含量を測定した。カルニチン含量は、通常のマウス飼育に用いられるCE2食よりも低く、極めて低いレベルであることを確認した。3ヶ月間の飼育を行った。今年度は、オスについてのみ検討ができた。肥満に関して主に検討を行った。週ごとに体重の測定を行い、成長曲線を書いた。3ヶ月令の成獣期に、ネンブタール麻酔後、心臓、肝臓、内臓脂肪(特に精巣上体周囲脂肪組織)を採取し、重量の測定を行った。野生型マウスとヘテロ接合体マウスともに、脂肪食で体重の増加、内臓脂肪の増加を認めた。野生型マウスとヘテロ接合体マウスともに、普通食に比べて、脂肪食の方が体重は重く、摂食量(カロリーベース)が多かった。普通食では、野生型マウスとヘテロ接合体マウスの間に、体重、摂食量の有意な差はなかった。一方脂肪食では、ヘテロ接合体マウスは野生型マウスに比べて、体重が重く、摂食量が多い傾向を示した。今回の傾向が、メスでも認められるのか、またより長期に観察した場合について検討を加えたい。今回得られた結果は、食事からの脂質摂取量が増加している生活習慣(この60年で、約4倍)を考慮すると、「食事脂質含量、遺伝的背景と疾患発症」の関連を考える上で貴重なものになるだろう。
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