研究課題/領域番号 |
21590706
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
新村 洋未 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (70315703)
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研究分担者 |
若林 チヒロ 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40315718)
加滕 知子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80315720)
尾島 俊之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50275674)
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キーワード | 疫学指標 / 二次医療圏 / 健康地域格差 / 平均余命 / 保健医療政策 |
研究概要 |
地域の健康度の指標である平均余命は都道府県と市町村単位で公表されるが、保健医療政策の効果の評価には保健医療サービスの提供単位である二次医療圏単位の値が適切である。今年度は、平均余命の地域差とその影響要因を明らかにするため、二次医療圏単位の平均余命を算出し、地域特性、医療資源配置、医療費の地域格差とその関連を検討した。 方法:1)平成19年10月1日現在の二次医療圏単位の平均寿命を以下の手順で算出。(1)平成17年市区町村別平均寿命と同年国勢調査人口を市町村合併前後の対応表により、19年10月1日現在の市区町村別データベースを作成。(2)市区町村を同時期の二次医療圏毎に集約し、二次医療圏単位の平均寿命を算出2)地域特性(高齢化指標:65歳以上人口割合、都市化指標:第三次産業就業者割合)、医療資源配置(病床数人口10万対)、医療費(国保一人当たり実績医療費、老人医療費)等市町村別の各種データを二次医療圏単位に集約。3)1)、2)のデータから二次医療圏別の平均寿命と地域特性等の関連を観察。 結果:各指標の分布の幅は、平均寿命(男女全体)80.55-83.85歳、65歳以上人口割合13.1-38.0%、第三次産業就業者割合46.9-84.3%、病床数人口10万対424-3436、実績医療費27-58万円、老人医療費60-111万円であった。平均寿命は第三次産業就業者割合、老人医療費との間に正の相関が、65歳以上人口割合との間に負の相関があった。平均寿命を従属変数にした重回帰分析では、国保実績医療費は正の関連が、65歳以上人口割合、老人医療費に負の関連がみられた。 まとめ:国保一人当たり実績医療費、老人医療費ともに二次医療圏により約2倍の開きがあった。平均寿命との間には、国保実績医療費で正の関連、65歳以上人口割合、老人医療費で負の関連があったが、病床数との関連はみられなかった。
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