研究課題/領域番号 |
21590708
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
小嶋 雅代 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30326136)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ヘルスコミュニケーション / 医師患者関係 / 質的研究 / 疫学研究 / 関節リウマチ / インタビュー / アンケート調査 / 治療 |
研究概要 |
本研究の目的は、関節リウマチ(RA)患者とその主治医を対象として、良好な医師-患者関係の構築に必要な要因を、質的研究と疫学的研究手法を用いて多方面から評価・分析し、日本人のエビデンスに基づく医療コミュニケーションモデルを提案することである。限られた診療時間の中で、患者・医師双方に満足度の高い医療を実現するためのコミュニケーションスキル・トレーニングツールの開発をめざす。 平成24年度は本研究の4年目にあたる。平成21年度から23年度にかけての一連の疫学調査およびフォーカスグループによるインタビュー調査により、RA患者は全体として治療成績が向上しており、特に生物学的製剤治療を受けている患者は、従来の治療薬にない目に見える効果を実感していることを確認した。また、多くの患者が診断直後はRAであることを受け入れられず苦悩することや、自分のニーズにあった情報を得ようと努力していること、医師と良好なコミュニケーションを取るために工夫していることが分かった。生物学的製剤の登場は医師の意識にも変化を与えており、以前より自信をもって患者に接することができるようになったと感じていることなどが分かった。 これまでの調査により、医療施設の規模・種類による、医師・患者双方の意識の違いが明らかになったため、平成24年度は大学病院以外の患者、医師を対象とした追加インタビュー調査を実施した。インタビューの内容分析の結果を基に、リウマチ治療を円滑に進める上で必要と思われる項目を抽出し、パイロット調査を経て、各項目の重要性を量的に評価するための自記式調査用紙を医師用と患者用に分けて作成した。自記式調査用紙を用いた疫学調査計画について、改めて名古屋市立大学大学院医学研究科ならびに名古屋大学医学部附属病院の倫理審査委員会の承認を受け、実施準備を完了し、順次開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では平成24年度中に自記式質問紙調査を終了する予定であったが、準備段階にとどまった。理由は、疫学調査の質問項目を抽出するためのインタビュー調査の分析の結果、医療施設の規模・種類により、医師患者双方の意識に大きな違いがあることが分かったため、追加調査を実施したことと、パイロット調査の段階で調査用紙の不備が見つかり、作成し直すなど、想定外の事態が起きたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度前半に自記式質問紙調査を完了し、集計解析を行う。結果について、医師・患者のフォーカスグループによる評価を行い推奨度を決定し、医師・患者間の円滑なコミュニケーションガイドを作成する。
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