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2009 年度 実績報告書

職場における非正規雇用と健康影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590712
研究機関帝京大学

研究代表者

鶴ヶ野 しのぶ  帝京大学, 医学部, 助教 (10359630)

研究分担者 矢野 栄二  帝京大学, 医学部, 教授 (50114690)
井上 まり子  帝京大学, 医学部, 助教 (20508048)
キーワード雇用形態 / 非正規雇用 / 健康影響 / 疫学研究 / うつ病 / 喫煙 / 健康診断 / 長時間労働
研究概要

計画初年度である本年度は、雇用形態と健康に関する先行研究の要約と、雇用形態に影響される健康指標に関する疫学研究を行った。
雇用形態と健康についての研究は新しい領域であり、「非正規雇用」の定義が国により異なることもあり結果の一元的解釈が困難である。そのため、雇用形態に関する文献資料を健康との関連に焦点を当てて整理し要約を行った。これらはレビュー論文として投稿予定である。
また、雇用形態の違いに基づく健康影響を全国規模で調査するため、厚生労働省より国民生活基礎調査の目的外使用の承認を受け、平成19年度の調査データを用いた横断研究を行った。その結果は、わが国の雇用労働者20万5944名(18-64歳)のうち非正規雇用者は6万6911名(33%)で、36%の非正規雇用者が法定労働時間(40時間/週)を越えて就労していた。非正規雇用の健康影響について男女別・労働時間別に調べたところ、就労時間が40時間以上の者では、男女とも「うつ状態」と「喫煙」のリスクが正規雇用者より高く、男性で長時間労働の非正規雇用者では「心身の症状」や「健康状態の悪さ」を自覚するリスクも高かった。一方女性では、長時間労働の群でもこれらの項目では正規雇用者と差が見られず、非正規雇用の健康影響は性別により異なることが示唆された。さらに、非正規雇用者では性別や労働時間によらず健康診断やがん検診が未受診であるリスクが高いことが確認された。これらの結果は現在投稿中であるが、次年度は多年度データを用いたrepeated cross-sectional研究や所得などの社会経済的因子も加味した研究を行う予定である。
さらに、国内外の研究者のネットワークの場として、平成22年4月に「非正規雇用シンポジウム」、5月に「第2回非正規雇用研究会」を開催し、研究代表者らは同年1月に実施した"年越し派遣村"労働者の健康調査の結果を報告した。
今後も同研究会を通じて、研究成果を広く社会・国民に対しても発信する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 年越し派遣村村民の健康2009

    • 著者名/発表者名
      鶴ヶ野しのぶ、井上まり子、中坪直樹、大井洋、矢野栄二
    • 雑誌名

      産業衛生学雑誌

      巻: 51巻 ページ: 15-18

    • 査読あり
  • [学会発表] 年越し派遣村滞在者の健康状況2009

    • 著者名/発表者名
      鶴ヶ野しのぶ
    • 学会等名
      日本産業衛生学会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      2009-05-21
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~hph/index.htm

  • [備考]

    • URL

      http://plaza.umin.ac.jp/hiseiki/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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