• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

潜在的国民病-亜鉛欠乏症の老化促進機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590715
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

柳澤 裕之  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10200536)

研究分担者 宮越 雄一  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00343533)
キーワード亜鉛 / 老化 / 酸化ストイレス / 発癌 / 血圧
研究概要

亜鉛は約300余種の酵素の活性中心元素として働いている必須微量元素である。現在、亜鉛の必要量に対する一日摂取量は不足していることが報告されている。近年、必須微量元素欠乏、特に亜鉛欠乏は、老化や生活習慣病に深く関係していることが明らかにされつつある。そこで、昨年度から本年度にかけて、老化によって促進される高血圧の増悪が、亜鉛欠乏でも促進されるのかどうか究明した。具体的には、標準食あるいは亜鉛無添加食を高血圧自然発症ラットに等量ずつ4週間与え、標準食モデルあるいは亜鉛無添加食モデルを作製した。食事療法開始前、食事療法開始2週間後、4週間後にPE-50ポリエチレンカテーテルを右大腿動脈に挿入/留置し、収縮期血圧・拡張期血圧・平均動脈圧を測定した。標準食モデルでは血圧に変化は認められなかったが、亜鉛無添加食モデルでは、時間依存的に血圧が上昇した。食事療法終了時(4週間後)、血管拡張物質NOの合成酵素阻害剤であるL-NAMEをPE-50ポリエチレンカテーテルから投与すると両群の血圧は同レベルまで上昇した。同様に、活性酸素消去剤であるTempolを投与すると両群の血圧は同レベルまで低下した。これらの結果は、血管拡張物質NOと活性酸素は血圧の調節に関与することを指摘する。近年、NOと活性酸素が非酵素的に瞬時に反応(peroxynitrite形成)し、NOが消費され血圧が上昇することが知られている。今回の結果から、亜鉛欠乏は、活性酸素の産生を亢進させ、血管拡張物質NOを消費することによって、高血圧を悪化させる老化促進要因の一つであることが示唆される。加えて、本年度は、この研究の最終年度であるため、研究の総括とまとめを行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] BMI, waist circumference, and clustering of cardiovascular risk factors in Japanese adults2011

    • 著者名/発表者名
      M. Suka, Y. Miwa, Y. Ono, H. Yanagisawa
    • 雑誌名

      Environ. Heaith Prev. Med

      巻: 16 ページ: 90-96

    • DOI

      DOI:10.1007/s12199-010-0169-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Indium chloride-induced micronuclei in in vivo and in vitro experiment systems2011

    • 著者名/発表者名
      H.Yanagisawa, et al
    • 雑誌名

      J.Occup.Health

      巻: 53(2) ページ: 102-109

    • 査読あり
  • [学会発表] 微量元素を考える:基礎と臨床Up to Date2011

    • 著者名/発表者名
      柳澤裕之
    • 学会等名
      第33回日本臨床栄養学会総会第32回日本臨床栄養協会第9回大連合大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-10-19
  • [図書] ビタミン・ミネラルの科学2011

    • 著者名/発表者名
      柳澤裕之
    • 総ページ数
      210
    • 出版者
      朝倉書店

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi