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2010 年度 実績報告書

ストレスは覚醒剤の心臓への影響を強めるか?-遺伝子発現を指標とした病態生理解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590735
研究機関三重大学

研究代表者

那谷 雅之  三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70241627)

研究分担者 富田 正文  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50113197)
キーワードgap junction / connexin / 炎症性サイトカイン / 心筋障害 / 致死性不整脈
研究概要

覚醒剤および身体拘束の突然死との関連について、細胞間の電気的および情報連連絡経路となるGap Junctionについて検討を行った。Cx(Connexin)遺伝子のうち、心臓において発現が報告されているCx37,Cx40,Cx43,Cx45の4遺伝子についてReal time PCRを用いて遺伝子発現定量を行い、二元配置分散分析により検定した。その結果、Cx37は覚醒剤投与により、Cx45は身体拘束により有意に低下した。また、Cx40は身体拘束により低下傾向を、Cx43は覚醒剤投与に身体拘束が加わると増加傾向を示した。覚醒剤投与により発現低下を示したCx37は血管内皮に分布し、高血圧、動脈硬化、糖尿病などの血管内皮障害時に発現を低下することが報告されている。さらに、覚醒剤投与により血清中のIL-1,IL-6,TNF-a等の炎症性サイトカインが増加するという報告もある。これらの報告から、覚醒剤投与により炎症性サイトカインが生成され、心筋傷害が生じている可能性が考えられた。また、元来turnoverの速いGap Junctionにおいて、身体拘束ストレスによって洞房結節、房室結節に分布するCx45の発現低下が、房室伝導障害を惹起し、致死性不整脈の発生要因となっている可能性が考えられた。本結果から、覚醒剤投与に身体拘束が加わると相加・相乗的に心臓に影響する可能性が示された。つまり、覚醒剤投与が心筋障害を惹起し、さらに身体拘束が刺激伝導系に作用し循環動態に影響を与えることが考えられた。これらの所見から、覚醒剤に身体拘束ストレスが加わった際の突然死メカニズムの解明につながるものと期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Water-restraint stress enhances methamphetamine-induced cardiotoxicity2011

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Tomita, Hironobu Katsuyama, Yoko Watanabe, Kazuo Hidaka, Kei Yoshitome, Satoru Miyaishi, Takaki Ihikawa, Kotaro, Shinone, Masayuki Nata
    • 雑誌名

      Chemico-biological interactions

      巻: 190 ページ: 54-61

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular-biological analysis of the effect of methamphetamine on the heart in restrained mice2010

    • 著者名/発表者名
      Shinone K, Tomita M, Inoue H, Nakagawa Y, Ikemura M, Nata M.
    • 雑誌名

      Leg Med

      巻: 12 ページ: 79-83

    • 査読あり
  • [学会発表] ストレス環境下で覚醒剤の心筋に及ぼす影響-Heat shock proteinの関与2010

    • 著者名/発表者名
      富田正文、吉留敬、宮石智、篠根光太郎、那谷雅之、守屋文夫、石津日出雄
    • 学会等名
      第94次日本法医学会学術全国集会
    • 発表場所
      東京(タワーホール船堀)
    • 年月日
      2010-06-24

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公開日: 2012-07-19  

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