研究課題
多検体を対象とした解析を簡便・迅速化する目的でリアルタイムPCR法を用いたFUT2とFUT3の不活性型アリルのtagSNPsの判定法を確立した。この方法を用いモンゴル人集団(946サンプル)を対象としてFUT2、FUT3の遺伝子型を決定し、それぞれの多型、予想される表現型と2型糖尿病、体格指標、臨床データとの関連解析をおこなった。その結果、FUT2、FUT3の変異、分泌型、ルイス式血液型は、2型糖尿病、体格指標、臨床データいずれとも有意な相関を示さなかった。FUT2遺伝子座には遺伝子領域のコピー数の変化を伴う3つの組換え体(コピー数多型:CNVs)の存在が報告されており、CNVsの頻度が約30%と高い集団も存在しSNPs解析のみでは多様性の評価が不十分になる。しかし一般のPCR法ではCNVsの検出は不可能であり、既知のCNVs検出用のPCRでは新規のものは検出できない。そこで本研究計画ではリアルタイムPCR法を用い、FUT2の2領域のコントロール領域であるアルブミン遺伝子に対する相対コピー数を算定することによりCNVsを同定する(比較Ct法)システムの構築を試みた。その結果、これまでに報告されている3つのCNVsをタイプの異なる2グループに分類することが可能であった。現在改良ならびにさまざまな人集団のDNAについて解析をおこなっている。DNAメチル化は遺伝子発現制御において重要な役割を果たしており、FUT3についてはプロモーター領域のメチル化のががん細胞で報告されている。ルイス式血液型の発現を理解する為に、培養細胞を用いFUT2のプロモーター領域についてメチル化状態とFUT2の発現との相関について調べている。Preliminaryな結果であるが近位のCpGサイトは発現している細胞でメチル化の程度が低いことが示唆された。今後詳細に解析をおこなう予定である。
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