研究課題
本研究対象であるFUT2はその構造から遺伝子組換えの起こりやすい座位であることが報告され、現在までに4種類の組換え体アリルが同定されている。前年度に開発した比較Ct法によるFUT2のコピー数多型(CNVs)検出法を用い、中国人集団に新たな組換え体アリルを見出した。これまでに見出されているFUT2のCNVsはいずれもコピー数減少型であるが、本法は増加型も検出可能であり、今後対象サンプルを増やすことにより異なるタイプのCNVsが同定されることが予想される。遺伝子組換えはDNAの多様性増加の原動力となる機構の一つとして知られ、FUT2の多型研究のみならず、組換え機構についての知見を得られるという点が意義のあるものと考えている。さらに今年度はベトナム人集団のDNA294サンプルについてFUT2の多型解析をおこなった。その結果、新規SNPsとしてC818AとG853Aを見出した。これら2つの多型の頻度を調べる為にHRM解析を実施したところ効率良く多型をスクリーニングすることが出来た。これらはいずれもアミノ酸の置換を伴う多型であり、現在酵素活性に与える影響をモニターするための培養細胞を用いた実験を実施している。FUT2の遺伝子発現制御におけるDNAメチル化について理解をする目的で遂行している研究では、培養細胞のリアルタイムPCRによる発現解析の結果、遺伝子発現レベルが近位のCpGサイトでのメチル化の程度と相関していることが分った。今後は薬剤によるメチル化のコントロール実験等により制御機構を解明する予定である。
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