研究概要 |
高齢者動脈硬化症の特徴に基づいた細胞老化制御療法の有効性の明らかな手法の確立を目標とした。危険因子として加齢及び高齢者に普遍的な高脂血症と糖尿病の合併を想定、細胞老化をtelomerase, NO及び活性酸素制御等により制御し血管壁構成細胞での動脈硬化進展抑制効果を検討した。特許申請中の方法を含むNO bioavailability増加療法との関連も調べた。#1NO,活性酸素関遺伝子ベクター調整:eNOS, iNOS vectorに加え、eNOSsiRNA, NADPHoxidase(p47phox)siRNA vectorを作成した。 #2遺伝子導入による老化制御及び各種内皮機能の検討各種老化指標(テロメラーゼ活性,テロメア長、老化関連βガラクトシダーゼ染色性等)NO放出能(酵素活性、NO代謝物、eNOSmRNA,同蛋白),活性酸素放出能(MLCA, FACScan)の基礎検討を行った。 #3遺伝子導入時の補酵素、阻害剤等の組み合わせ利用NO産生増加,NOS uncoupling及びNADPH oxidase活性化等によるO_2^<->産生制御を目標とし条件を検討した。L-argnine, L-citrulline(citrulline-arginine回路),BH4等のNO合成酵素基質及び補酵素,L-NAME, apocynin等の阻害酵素を用いた。血管内皮にしぼり検討した。NO及びエストロゲンは上記テロメラーゼ活性を増加させ、replicative senescemceを制御した。 #4病態(細胞レベル)での検討:高脂血症、糖尿病モデルでの老化制御作用を検討した。本年は血管内皮細胞に限った。糖尿病では従来3日間の高グルコース負荷を中心にデータを蓄積してきたが、7日以上の長期負荷及び,1日2、3回の食後高血糖モデルも確立し、成績を得た。
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