研究課題/領域番号 |
21590768
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
浅川 明弘 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (10452947)
|
研究分担者 |
藤宮 峯子 札幌医科大笠, 医学部, 教授 (10199359)
堀内 正久 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (50264403)
牛飼 美晴 鹿児島大学, 産学官連携推進機構, 研究支援者 (70232816)
乾 明夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (80168418)
|
キーワード | 消化管運動 / マノメトリック法 / マウス / 肥満 / アディポサイトカイン / 食欲 / 摂食障害 / 機能性胃腸症 |
研究概要 |
マノメトリック法によって、マウスの胃前庭部、十二指腸の消化管運動を、空腹期においてmigrating motor complex (MMC)の頻度、食後期において% motor index (MI)として測定した。我々は、高脂肪食負荷による肥満マウスにおいては、血中のアディポネクチン、ネスファチンが正常マウスに比較して、低下していることを報告した(Exp Therap Med 2011)。摂食抑制シグナルであるネスファチンの消化管運動への影響を検討するため、マウスにネスファチンを投与し、ネスファチンが食後期において、胃前庭部の% MIを低下させ、十二指腸におけるphase III様の強収縮の発現を遷延させることを報告した(Neuroreport 2010)。肥満の原因の一要因である消化管運動異常において、ネスファチンの低下が関与している可能性が示唆された。また、ストレス関連ペプチドであるcorticotrophin releasing factor (CRF)のファミリーペプチドである、urocortin 3のマウスへの投与が、胃排出率を低下させ(Endocrine 2010、Exp Therap Med 2011)、空腹期における消化管運動を抑制することを確認した。コミュニケーションボックスを用いた心理的ストレス負荷の実験においては、心理的ストレスによって、マウスの胃前庭部、十二指腸の消化管運動が抑制されること、視床下部における摂食抑制ペプチドのmRNAの発現が上昇することが確認された。今後、これらの研究を進めることにより、体重異常をきたす疾患やストレス関連疾患における、消化管運動異常の役割とその機序が解明されるとともに、創薬などの臨床応用の可能性を示すことができるものと予想される。
|