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2009 年度 実績報告書

脳磁図・脳波を用いた認知症の治療モニタリング法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21590782
研究機関独立行政法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

中村 昭範  独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿脳科学研究部, 室長 (00237380)

研究分担者 吉山 顕次  国立長寿医療センター(研究所), 長寿脳科学研究部, 研究員 (20426498)
文堂 昌彦  国立長寿医療センター(研究所), 血管性認知症研究部, 研究員 (10426497)
キーワードアルツハイマー型認知症 / 治療モニタリング / 脳磁図 / 聴覚中潜時誘発反応 / コリン作動性ニューロン
研究概要

本研究の目的は、脳の神経ネットワークの機能を電気的活動として安全かつ鋭敏に捉えることができる電気生理学的手法を用いて、認知症の治療モニタリングに役立てていくための方法を確立することである。本年度はまずアルツハイマー型認知症に特徴的な電気生理学的変化を捉える目的で、若年健常ボランティア15名、高齢健常ボランティア14名、アルツハイマー病(AD)患者10名を対象に、Oddball課題に対する聴覚誘発脳磁場を測定し、潜時50ms前後の聴覚中潜時反応(MLR)、潜時90ms前後の聴覚誘発反応(N100m)、及び潜時120ms前後の聴覚ミスマッチ反応(MMR)に焦点を当てて分析した。データ解析は脳表電流密度マップ推定に、解剖学的標準化とROI解析を組み合わせた方法を用いて行った。これらの3つの誘発脳磁場成分の中で、高齢ボランティア群とAD群で有意な差を認めたものはMLRのみであった。MLR振幅は若年者群よりも高齢者群で有意に増大し、AD群では高齢者群よりも更に有意に増大していた。仮に閾値を高齢者群のMLR振幅の平均+1SD値の0.162 nAmと設定すると、MLRを用いた脳磁図のAD診断能は、sensitivityが70%、specificityが86%、total accuracyが79%であった。この値はPETやSPECTに比べると決して高くはないが、少ない症例数でpreliminaryに行った解析結果としてはそれほど悪くないと思われる。MLRはscopolamineのような抗コリン薬で振幅が増大することより、今回の結果で示されたADにおけるMLR振幅の増大もコリン作動性ニューロンの機能低下を反映している可能性がある。従ってMLRはADの治療モニタリングの一つの候補となりうることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 聴覚中潜時誘発磁場による認知症補助診断の可能性2009

    • 著者名/発表者名
      中村昭範, 吉山顕次, 他
    • 雑誌名

      日本生体磁気学会誌 22

      ページ: 222-223

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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