• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

モチリンによる空腹期収縮機構の解明~新たなモデル動物を用いたアプローチ~

研究課題

研究課題/領域番号 21590785
研究機関埼玉大学

研究代表者

坂井 貴文  埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40235114)

研究分担者 足立 明人  埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20351588)
キーワードモチリン / スンクス / 空腹期収縮 / クローニング
研究概要

平成21年度は、消化管運動研究の小型モデル動物であるスンクスを用いて、主にorgan bathを用いたin vitroにおけるモチリンの消化管収縮機構の検討を行った。平成22年度は、モチリンによる消化管運動制御機構をより詳細に解析することを目的とした。平成22年度の成果は以下の通りである。(1)organ bathを用いたin vitro実験により、モチリンが低濃度で存在すると、モチリンのファミリーペプチドであるグレリンがsynergisticに胃収縮を刺激すること、また、胃粘膜層に損傷を与えるとグレリンの効果が消失することを明らかにした。(2)スンクスの消化管にフォーストランスデューサーを縫着し、無麻酔・無拘束下で消化管収縮運動を記録する系を用いてモチリンアンタゴニストの前投与を行うと、外因性モチリンによるphaseIII様の強収縮は惹起されなかった。また、phaseIIにおいてモチリンアンタゴニストを長時間投与した結果、phaseII収縮は持続するがphaseIIIは惹起されないことを明らかにした。(3)phaseIIにおけるグレリンアンタゴニストの投与は、phaseIIを抑制し、またphaseIIIの開始を遅延させることを明らかにした。(4)迷走神経切除を行うと、空腹期伝播性収縮運動(MMC)は起こるが、phaseII持続時間が抑制されるこを明らかにした。さらに食後期収縮は迷走神経切除によってに消失することを明らかにした。
以上の結果は、MMCはモチリンとグレリンの両方の相互作用によって制御されていることを強く示唆するものである。今後は血中モチリン及びグレリン濃度との相関を検討することに加えて、脳の関与を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Measurement of Contractile Activity in Small Animal's Digestive Organ by Carbon Nanotube-Based Force Transducer2011

    • 著者名/発表者名
      T Hirata, N Takeda, C Tsutsui, T Sakai, M Akiya
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics

      巻: 50 ページ: "030210-1"-"030210-3"

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fragments of Genomic DNA Released by Injured Cells Activate Innate Immunity and Suppress Endocrine Function in the Thyroid2010

    • 著者名/発表者名
      A Kawashima, K Tanigawa, T Sakai, K Suzuki
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 152 ページ: 1702-1712

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Physiological characteristics of gastric contractions and circadian gastric motility in the free-moving conscious house musk shrew (Suncus murinus).2010

    • 著者名/発表者名
      Sakahara S, Xie Z, Koike k, T Sakai
    • 雑誌名

      American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology

      ページ: Epub ahead of print

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ghrelin cells in the gastrointestinal tract2010

    • 著者名/発表者名
      I Sakata, T Sakai
    • 雑誌名

      International Journal of Peptides

      ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [学会発表] 「分かってきた脳-腸相関」 -消化管運動調節の仕組みについて-2011

    • 著者名/発表者名
      坂井貴文
    • 学会等名
      日本生物教育学会・全国大会
    • 発表場所
      埼玉大学
    • 年月日
      20110108-20110109
  • [学会発表] 伝播性空腹期収縮運動へのモチリンとグレリンの関与-スンクス(Suncus murinus)を用いた研究-2011

    • 著者名/発表者名
      坂井貴文、謝祚云、宮野佑樹、仁科和也、坂田一郎、相澤清香
    • 学会等名
      第19回 群馬消化管運動研究会
    • 発表場所
      群馬県 マーキュリーホテル
    • 年月日
      2011-03-26
  • [学会発表] ニワトリ胚下垂体隆起部の性質とその起源について2010

    • 著者名/発表者名
      井上麻紀子、檜垣佑理子、高木宏泰、坂井貴文
    • 学会等名
      第35回日本比較内分泌学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンターグランシップ
    • 年月日
      20101118-20101120
  • [学会発表] スンクス(Suncus murinus)を用いた消化管運動制御におけるモチリンとグレリンの作用2010

    • 著者名/発表者名
      宮野佑樹、謝祚云、坂原聖士、星野賢哉、小池加奈子、岸本萌美、坂井貴文
    • 学会等名
      第35回日本比較内分泌学会大会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ
    • 年月日
      20101118-20101120
  • [学会発表] 食虫目スンクスにおけるグレリン・モチリン受容体の遺伝子クローニング及び発現解析2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木愛理,石田祐子,筒井千尋,坂井貴文
    • 学会等名
      日本動物学会 第81回大会
    • 発表場所
      東京大学大学院総合文化研究科・教養学部(駒場キャンパス)
    • 年月日
      20100923-20100925
  • [学会発表] 下垂体隆起部の起源を考える-下垂体隆起部が下垂体主部とは異なる起源を持つ可能性について-2010

    • 著者名/発表者名
      井上麻紀子、檜垣佑理子、高木宏泰、坂井貴文
    • 学会等名
      第25回 下垂体研究会学術集会
    • 発表場所
      愛知県田源市 伊良湖ガーデンホテルリゾート&スパ
    • 年月日
      20100819-20100821
  • [学会発表] Ghrelin stimulates gastric contraction in a specific physiological condition in vivo and in vitro in the house musk shrew (Suncus murinus), a ghrelin- and motilin-producing laboratory animal2010

    • 著者名/発表者名
      Z Xie, S Sakahara, S Hoshino, Y Ishida, A Suzuki, T Sakai
    • 学会等名
      Digestive Disease Week
    • 発表場所
      New Orleans Morial Convention Center
    • 年月日
      20100501-20100505
  • [図書] スンクスの生物学「スンクスにおけるモチリンおよびグレリン遺伝子の同定と発現分布」P335-3412011

    • 著者名/発表者名
      織田銑一, 他、編
    • 総ページ数
      499
    • 出版者
      学会出版センター

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi