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2011 年度 実績報告書

Shhの腸上皮化生粘膜における低下のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21590793
研究機関自治医科大学

研究代表者

武藤 弘行  自治医科大学, 医学部, 准教授 (50322392)

キーワードShh / Cdx2 / 腸上皮化生 / トランスジェニックマウス / メチル化 / in situ hybridization
研究概要

Shhは胃癌との関係のみならず、胃底腺を構成する上皮細胞の分化に関与している。ヒトの腸上皮化生粘膜ではShhの発現が低下していることが報告されている。しかし、このShhの発現低下のメカニズムは明らかにされていない。正常の胃粘膜から腸上皮化生粘膜への変化を分化の観点から見直すと、(A)腸粘膜上皮細胞の形質を発現すること、しかしこれだけでは不十分で、(B)胃粘膜の形質が消失することが必要である。(A)の腸粘膜上皮細胞の形質を発現することは転写因子Cdx2により誘導されることで説明が可能であり、当研究室で作成したCdx2トランスジェニックマウスが証明している。しかし、何故に、腸上皮化生粘膜になると本来の胃粘膜上皮細胞の形質が消失するのかには、現在まで解答が与えられていない。Cdx2トランスジェニックマウスの腸上皮化生粘膜でShhの発現が完全に消失していることをreal time PCRにて明らかにした。このことは、Cdx2がShhの発現低下を引き起こしていることを強く示唆しており、このCdx2によるShhの低下が胃粘膜形質の消失につながっていると考えて実験を行った。このCdx2によるShh低下のメカニズムを解明することは、腸上皮化生粘膜の成因に迫るだけではなく、胃粘膜上皮細胞・腸粘膜上皮細胞の分化のメカニズムにおけるShhとCdx2との関係を明らかにすることができるものと考えられる。in situ hybridizationにより正常胃粘膜で壁細胞にShhが発現しているがCdx2トランスジェニックマウスの腸上皮化生粘膜では消失していることを明らかにした。Shhの発現低下の原因としてShhのpromoter領域のメチル化の関与をBisulphite sequencingにより検討したが、promoter領域はメチル化されていなかった。そこでChIP(Chromatin immunoprecipitation)assayによりCdx2のShhのpromoter領域へのin vivoでの結合を検討したところCdx2がShhのTATA boxに結合することを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] SOX9 is expressed in normal stomach, intestinal metaplasia, and gastric carcinoma in humans2011

    • 著者名/発表者名
      Sashikawa Kimura M, Mutoh H, Sugano K.
    • 雑誌名

      J Gastroenterol

      巻: 46 ページ: 1292-1299

  • [雑誌論文] Sox2 expression is maintained while gastric phenotype is completely lost in Cdx2-Induced intestinal metaplastic mucosa2011

    • 著者名/発表者名
      Muto H, Sashikawa M, Sugano K
    • 雑誌名

      Differentiation

      巻: 81 ページ: 92-98

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cell lineage dynamics in the prosess leading to intestinal metaplasia2011

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto H, Mutoh H, Hayakawa H, Sashikawa M, Sugano K
    • 雑誌名

      J Gastroenterol

      巻: 46 ページ: 620-628

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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