研究概要 |
腸管粘膜のバリア機構を増強し、炎症反応制御に深く関与している腸管アルカリフォスファターゼが炎症性腸疾患の粘膜防御機構に果たす役割を評価する。具体的にはnon-microbial-mediated gene-delivery systemを用いて、マウス実験腸炎モデルの大腸粘膜にIAPを強制発現させたり、あるいはIAPに対するshRNAベクターを使用することによりIAPを抑制させたりすることによって、IAPが腸管のバリアのintegrityを変化させ粘膜防御機構に関与すると仮説し探索を行う。平成21年度はマウス実験腸炎モデルの大腸粘膜におけるIAPの発現レベルをmRNAレベル、タンパクレベルで解析した。マウス実験モデルとしては、申請者がこれまでに解析経験のある、クローン病類似のTh1優位の病変を有するマウスTNBS腸炎モデルを使用した。TNBS腸炎モデルについては8週齢の雄性C57BL/6マウスを用い、内直径1mmのゾンデをマウスの肛門に約4cm挿入し、50%エタノールに溶解した2,4,6-trinitrobenzenesulfonic acidを100μL注入し腸炎を惹起させた。コントロール群には50%エタノールに溶解したPBSを100μL注入した。TNBSあるいはPBS投与後7日目にマウスをsacrificeし、大腸粘膜からmRNAおよびタンパクを抽出し現在IAP発現レベルを測定しており、腸炎によるIAP発現レベルの変化を検討中である。
|