腸管粘膜のバリア機構を増強し、炎症反応制御に深く関与している腸管アルカリフォスファターゼが炎症性腸疾患の粘膜防御機構に果たす役割を評価する。具体的にはnon-microbial-mediated gene-delivery systemを用いて、マウス実験腸炎モデルの大腸粘膜にIAPを強制発現させたり、あるいはIAPに対するshRNAベクターを使用することによりIAPを抑制させたりすることによって、IAPが腸管のバリアのintegrityを変化させ粘膜防御機構に関与すると仮説し探索を行う。平成22年度はIAP発現ベクターおよびIAP shRNAベクターの作成を行った。具体的にはIAP発現ベクター作成に関しては、まずFull length mouse IAP(alkaline phosphatase 3:AKP3)をRT-PCRで増幅し、pCR2.1TOPO vector(Invitrogen)でクローニングした。制限酵素処理後、pIRES-hrGFPII vector(Stratagene)あるいはpSecTag2/Hygro vector(Invitrogen)でサブクローニングした。作成したベクターをCOS7細胞にtransfectionし、IAPタンパクの発現をチェックできた。IAP抑制shRNAベクター作成に関しては、BLOCK-iT RNAi Target Screening System(Invitrogen)を用いて様々なベクターを作成したがIAPに対するサイレンシング活性の強い有効なシークエンスが得られておらず、今後の課題となっている。
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