アンドロジェン受容体(AR)を肝特異的に発現するトランスジェニックマウス(Tg-AR)を作製した後、ARの肝における脂質代謝、糖質代謝との関わりを明らかにする予定であったが、1回目に作製したTg-ARは子供を増やすことができず、さらに3回作製を行ったが、計139匹のマウスでAR遺伝子が確認できなかった。そこで、肝癌培養細胞のHepG2とHuh7にAR発現ベクターを導入し脂肪代謝に関連する84遺伝子の発現変化を検討したところ、両者で共通して低下していた遺伝子はAcyl-CoA dehydrogenaseとCarnitine palmitoyltransferase 1Aのみで、これら遺伝子は、脂質酸化に働くことから予測された結果とは逆であった。
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