研究概要 |
HCV-NS4BとCardifの相互作用についてBimolecular fluorescence complementation (BiFC) アッセイにより検討した。 PCRで増幅したNS4B, Cardifをそれぞれmonomeric Kusabira-green(mKG) ベクターに挿入し、N末端またはC末端をトランケイトしたmKGを融合したNS4B, Cardif発現プラスミドを作成した。出来上がった発現プラスミドを、相補的なmKG断片を持つ組み合わせでそれぞれHEK293細胞に遺伝子導入し24時間後に検討した。得られた蛍光陽性細胞をフローサイトメトリーで解析し、また共焦点顕微鏡で観察した。 その結果、N-CardifとNS4B-C、N-CardifとC-NS4B、C-CardifとNS4B-N、C-CardifとN-NS4Bの組み合わせで弱い蛍光が見られた。またBiFCシグナル陽性細胞の存在比はN-CardifとNS4B-C、C-CardifとNS4B-Nの組み合わせで増加していた。蛍光顕微鏡ではmKG-Cardifの一部がミトコンドリアと共局在していた。 STINGについても切断したmKG蛋白とN末端もしくはC末端で融合した蛋白発現プラスミドを作成し、様々な組み合わせで遺伝子導入した。その結果全ての組み合わせで強い蛍光を認め、NS4BとSTINGの相互作用が示唆された。フローサイトメトリーでもNS4BとSTING-mKG融合蛋白の全ての組み合わせ強いBiFCシグナルを認めた。またコントロールと比較しNS4BとSTING-mKG群においてBiFC陽性細胞の存在比は有意に高くなっていた。更に免疫沈降ではCardifとSTINGの相互反応が確認され、NS4B存在化でこの反応は減弱していたことから、NS4Bによるこれらの相互反応の阻害が確認された。
|