STAT1やVEGFは腫瘍の増殖の際に重要な役割を果たすことが知られている。最近、肝細胞癌の再発予防に対してIFNが有効であることを示唆する報告が散見されるが、その作用機序に関しては不明な点が多い。 培養細胞及びマウスを使用した皮下腫瘍モデルおいてIFNα投与-STAT1活性化は腫瘍増殖抑制作用があり、これはVEGFのpromoter部分に対して活性化STAT1が結合、レプレッサー様に働くことによりVEGF産生が抑制されていることに起因することが示された。 ヒト肝細胞癌サンプルを用いた検討によると、非腫瘍部に比し腫瘍部においてSTAT1の活性化が抑制されている人は高率に局所再発をきたすこと、更にはSTAT1の発現とVEGFの発現が逆相関の関係にあることが示された。 以上のことより、肝細胞癌の再発予防にはSTAT1の活性化が重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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