肝細胞癌でWT1 geneは高発現しており、肝細胞癌の発癌、腫瘍増大、再発に関わる。また、PKRはC型肝炎ウイルスに対する治療薬であるインターフェロン、リバビリンの抗ウイルス作用にかかわる一方、肝細胞癌で高発現している。これら2つの蛋白の臨床的役割について解析した。肝細胞癌においてWT1は抗アポトーシスに作用し、PKRは肝細胞増殖に関与している可能性が示唆された。また肝細胞癌患者を対象にWT1を用いた免疫治療臨床試験を行い、安全性と一部の症例で有効性を確認した。肝細胞癌に高発現するWT1, PKRは癌の臨床像に関わり、治療標的となり得ることが示唆された。
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