研究概要 |
平成21年 平成21年度はこれまでの実験系を再構築するために、HCVの増殖系であるレプリコンのGENOTYPE 1a, 1b, 2aの増殖に対する種々のサイクロフィリンインヒビターの阻害効果を確認し、カルシンユーリンとの相互作用を阻害しないサイクロフィリンの部位に結合することによってもHCVの増殖を阻害できることを明らかにした。またリボゾーマルディスプレイでターゲットとなるサイクロフィリンがどれかを決めるためのプルダウンアッセイを施行した。15種類のサイクルフィリンのうちメジャーなA意外にも増殖に関与する可能性のあるものが示唆された。さらにそれを別の角度から確認するためにsiRNAを用いたノックダウンアッセイを行った。両者の結果に一部乖離があり、off targetおよびnon specificな作用による可能性を除外するために、現在新しいsiRNAを設計している。 この一連の過程で問題になったのは増殖に関与しているのが、Cyp familyだけなのか、それとも別の宿主因子が関与しているかということである。 現在宿主因子の耐性クローンの解析も同時進行で行っており宿主因子との相互作用に関係する部位を詰めている。この過程で2-3領域に絞られてきているが、耐性クローンの解析と、相互作用部位の解析も小型の特殊な人工ペプチドによる阻害効果をみる上で重要であるので、検討を行っている。 またin vivoの系であるヒト化肝臓をもっSCIDマウスにおいても種々の抗ウイルス剤の効果をコントロールとして検討した。この系ではインターフェロン系が十分に働かないが、それ以外の薬剤は十分効果を発揮することが明らかになった。
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