研究課題
基盤研究(C)
劇症肝炎のような急性肝不全における脳症で「急速な脳浮腫」を惹起する未知の肝性脳症起因物質の同定は、肝臓と脳の連関病態解明、致死的肝性脳症の診断と治療法の開発に必要である。本研究の目的は、脳浮腫を惹起する肝性脳症起因蛋白の同定し、その病理作用、特に脳アストロサイトの障害作用を明らかにすることである。本研究の成果として、プロテオーム解析から致死的肝性脳症蛋白質候補(タンパクA)を同定することができた。タンパクAは、培養アストロサイトへの細胞障害性を示した。また、in vivoモデルでの証明のため、TRECK肝炎モデルマウスにおいて、脳症を伴う急性肝不全を発症させることができた。さらに、肝性脳症時のび漫性細胞浮腫をMRIのDWIで、ADCの低下としてとらえることができた。今後、タンパクAのin vivoさらに臨床例における脳症との関連を明らかにし、致死的脳症の治療法の開発を推進する。
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