本研究では、まずわれわれの発見した新規増殖因子である肝癌由来増殖因子(HDGF)の発現を抑制することで肝癌細胞の増殖を阻害しうること、またHDGFの発現抑制効果をもたらす薬剤としてビタミンKがあることを明らかにした。またHDGFの肝癌細胞に対する作用として、複数の細胞増殖・血管新生関連因子の誘導の関与を明らかにした。さらにHDGFの血中濃度上昇が、実際の臨床症例において肝癌の発症や早期再発との関連を示唆する結果を得た。これらの知見はHDGFの発現制御およびシグナル伝達調節による肝癌増殖制御法の開発につながることが期待できる。
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