・PEG-IFN/RBV併用療法の治療前効果予測因子を多方面から検討した。PEG-IFNα2b/RBV併用48週間の完遂例を対象としてSVR、NVR、再燃に寄与するウイルス学的独立要因を症例数を増やして多変量解析で検討した結果、SVRに寄与する要因としてNS5A-ISDR変異数、NVRに寄与する要因としてCoreアミノ酸置換、再燃に寄与する要因としてNS5A-ISDR変異数とCoreアミノ酸置換が有力なウイルス学的独立要因として抽出された。 ・Core aa70/91置換の肝発癌、糖代謝(インスリン抵抗性を含む)、脂質代謝を含む肝病態への影響を検討した。RBV併用非治癒例を対象としてCore aa70/91置換から肝発癌率を検討した結果、Core aa70置換は多変量解析で肝発癌に寄与する独立要因として抽出された。更に、Coreアミノ酸置換が代謝要因に及ぼす影響を多変量解析で検討した結果、Core aa70置換に関連する要因として糖脂質代謝要因が独立要因として抽出された。 ・肝発癌予防目的のIFN単独療法を行った症例を対象としてCore aa70/91置換の有無別に肝発癌の指標であるALT正常化率とAFP低下率を評価すると、Coreアミノ酸置換の有無に寄らずALT正常化とAFP低下が得られ、IFN単独療法の長期的な肝発癌予防における有用性が示唆された。 ・今後の研究計画としては全般的に対象を増やして再度検証することと、Core aa70/91置換を含むPEG-IFN/RBV併用療法難治例に対するIFN単独療法の長期肝発癌抑制効果について検討していく予定である。
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