研究課題
本研究はプロテオミックス技術により、HCV複製複合体(RC)を構成する宿主因子を同定し、その機能を解析することを目的とした。サブゲノムレプリコン(genotype 1b)を有するHuh7細胞からHCVRCを含む界面活性剤不溶性膜分画を抽出し、Huh7細胞と比較したところ、レプリコン細胞で2倍以上量が増加していた蛋白が約60個認められ、それらはHeat shock protein、Chaperone、Enzyme、Receptor signaling complex、Ubiquitin proteasome system proteinなどに分類された。に更に、HCVRNA複製活性は細胞の増殖期に亢進することが知られているので、レプリコン細胞の膜分画において対数増殖期にのみ増加した蛋白を同定したところ、高HCV複製期に1.5倍以上増加していた蛋白が約45個認められた。両者に共通する蛋白として、分子シャペロンT-complex polypeptide 1 ring complex subunitε(CCT5)及びHeat shock cognate protein 70が含まれていた。レプリコン細胞へのCCT5 siRNA導入によってHCV RNA複製レベルが低下したことから、今回同定された分子シャペロンがHCV RCへ取り込まれRNA複製調節に関与する可能性が示唆された。今後、CCT5、HSD70のウイルス複製における役割について解析する予定である。
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