研究概要 |
本研究はHCV複製複合体(RC)を構成する宿主因子をプロテオミックス技術を用いて同定し、そのHCV複製における機能を解析することを目的とした。昨年度までに、サブゲノムレプリコン(genotype 1b)を有するHuh7細胞のHCVRCを含む界面活性剤不溶性膜分画において、Huh7細胞と比べて著明に増加した蛋白として、Heat shock protein、Chaperone、Enzyme、Receptor signaling complex、Ubiquitin proteasome system proteinなどを見出した。これらの蛋白についてsiRNAを用いてHCV複製に与える影響を調べたところ、分子シャペロンT-complex polypeptide 1 ring complex subunit ε (CCT5)等の発現源弱に伴い複製が強く抑制された。強制発現,ノックダウン解析からCCT/TRiCがHCV RNA複製を正に調節すること,免疫沈降-ウエスタンブロット解析から,NS5B蛋白はaa 71-591領域を介してCCT/TRiCと相互作用することが見出された.更に,HCV感染細胞系においてもHCV粒子産生がTRiC siRNAによって抑制されることが示された。
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