研究課題/領域番号 |
21590873
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (90303651)
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研究分担者 |
山本 明子 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (60402385)
洪 繁 国立長寿医療研究センター病院, 内科総合診療部, 医師 (90402578)
長尾 静子 藤田保健衛生大学, 疾患モデル教育研究センター, 准教授 (20183527)
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キーワード | 膵導管細胞 / 細胞内Ca^<2+>濃度 / polycystic kidneyラット / fibrocystin / 単離小葉間膵管 / microperfusion / secretin / 溶液分泌 |
研究概要 |
膵管などの管腔組織では、primary ciliaが管腔内の機械的・化学的刺激を感知してシグナルを周囲に伝えることにより構造が維持される。このシグナルには、Ca^<2+>チャネルTRPP2(polycystin2)をはじめとするいくつかのciliaタンパクが重要な役割を果たしていると推定されている。今年度は、fibrocystinの遺伝子(PKHD1)変異を原因とする多発性嚢胞腎症のモデルであるpolycystic kidney(PCK)ラットの膵導管の形態と機能を解析した。PCKラットの膵では、膵管が拡張し、膵管周囲の線維化が見られたが、嚢胞は見られなかった。膵をコラゲナーゼで処理した後、腺房組織を取り除き、膵管樹を単離した。PCKラットでは正常ラットに比べて、胆膵管、主膵管、一次分枝の内径が約2.8、1.8、1.5倍に拡張していた。麻酔下で純粋膵液を採取した。PCKラットでは、carbamylcholine刺激による膵酵素(アミラーゼ)分泌は正常ラットと差は無かったが、生理的投与量(0.03μmolkg^<-1>h^<-1>)のsecretin刺激下の膵液分泌量が約40%減っていた。単離した小葉間膵管セグメントを37℃のHCO_3^--CO_2緩衝液で表層灌流するとし、PCKラットの膵管ではsecretin(10nM)刺激下の溶液分泌が約40%増えていた。単離膵管の管腔をmicroperfusionし、膵導管細胞内Ca^<2+>膿度([Ca^<2+>]_i)を測定した。管腔内ATPによる[Ca^<2+>]_i反応は、管腔の灌流方向(十二指腸側/腺房側から)に依存していた。正當ラットの膵管では、腺房側から灌流した場合の[Ca^<2+>]_i反応が大きかったが、PCKラットでは逆であった。PCKラットの膵は慢性膵炎に類似した組織所見を示し、膵導管は管腔内刺激に対して正常と異なる[Ca^<2+.]_i反応を呈した。
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