研究概要 |
・ホルター心電図方式におけるBrugada症候群の遅延電位の観察: 以前我々は、右側胸部誘導のfiltered QRS durationの周波数を使用した解析で、Brugada症候群の遅延電位(late potential ; LP)は右室心筋症(ARVC)でみられる脂肪線維化によって引き起こされる瘢痕関連性のLPとは性質を異にすることを報告してきた(申請者ら、Europace 2007年に掲載)。そこで、加算平均心電図の日内変動についてBrugada症状群とARVCの相違について比較検討した。 対象はホルター型加算平均心電図を施行したBrugada症候群24例(有症候例9例、無症候例15例)とARVC5例。 結果は、加算平均心電図における指標である、LAS40とRMS40の両者とも、そのバラツキがBrugada症候群において有意に大であることがわかった。また、Brugada症候群の中でも有症候例で無症候例に比し、LAS40,RMS40のばらつきが有意に大であった。 以上の結果は、以前よりわれわれが主張している、Brugada症候群にみられる遅延電位(LP)は、瘢痕組織に関係する、基礎心疾患にみられるLPとは成因が異なるということを間接的に支持しており、Brugada症候群にみられるLPの変動は自律神経にも関与しているかについてなど今後の研究課題も多い。
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