研究課題
(1). 平成21年度は、平成16年度から平成20年度に広島大学で、各種血管機能検査を受けた受診者(2340例)の血管超音波やプレチスモグラフィーを用いた血管内皮機能、脈波伝播速度やABPI測定による血管弾性、バイオマーカー、遺伝子診断のデータベース化を行った。データベース化の過程で、歯周病が冠動脈硬化の血管内皮機能に与える影響(Atherosclerosis)、喫煙とプレコンディショニングの関連(Hypertension)、低HDLコレステロール血症が単独で血管機能の危険因子となり得ること(Am J Physiol)、重症下肢虚血における血管再生とバイオマーカーの関連(JCVP)、新規バイオマーカーであるRho kinase活性が喫煙者で亢進していること(Hypertens Res)、血清P濃度と血管内皮機能の関連(J Am Soc Nephrol)、各種酸化ストレスマーカーと動脈硬化の関連(Circ J, EOP, Atherosclerosis)等の動脈硬化と血管機能、各種バイオマーカーとの関連を見いだした。(2). さらに、薬剤介入や前向き観察研究を行うための対象者の登録および血管機能検査を実施した。合わせて、新になコンセプトを用いた簡便で低侵襲な血管内機能測定装置の開発に取り組んだ(特願2009-212533)。かかる新規装置を用いて、既存の血管内皮測定装置との整合性や他の動脈硬化評価法との比較検討を行って、データの蓄積を行った。(3). 既存あるいは新規装置を用いた解析を基に、血管機能診断のための基本ソフト開発に取りかかった。血管機能検査の体系化により血管機能を総合的に診断するためのシステムが構築できることが期待される。
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