研究課題/領域番号 |
21590913
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平山 篤志 日本大学, 医学部, 教授 (50459880)
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研究分担者 |
高山 忠輝 日本大学, 医学部, 助教 (10366601)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
三俣 昌子 日本大学, 医学部, 教授 (40064589)
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キーワード | IVUS / angioscope / OCT |
研究概要 |
0.5%コレステロール食を与えた日本白色家兎の胸部大動脈、総頸動脈のプラークを血管内デバイス(血管内視鏡:CAS、血管内超音波:IVUS、光干渉断層法:OCT)で観察した。CASでは表面は白色で、IVUSではエコー輝度の高い均一なプラークであった。IVUS画像をBostonscientific社のiMap機能を用いて組織性状を解析すると均一な線維性成分で構成されていた。OCTでは血管表面から減衰の少ない均一な性状であった。同部位の病理所見は、一部炎症細胞の存在を認めるものの、大部分が線維に富んだ均一な組織であった。このことからコレステロール負荷食家兎で作成されるプラークはヒトでの安定プラークと一致する性状と判断された。次に動脈硬化モデルでかつ心筋梗塞を発症するWHHLMI兎で胸部大動脈、総頸動脈のプラークを同様に血管イメージングデバイスで観察した。CAS上は表面は白色であり、IVUSでは内膜下にやや中等~低輝度のプラークが認められた。iMap機能を用いて組織性状を解析すると、繊維成分に加えて一部に脂質や壊死組織(泡沫化した貧食細胞の集積部分に一致する組織)と解析された。OCTでは血管内膜表面は高輝度で、内部は減衰が大きいプラーク性状であった。病理所見では、脂質と一部に貪食細胞を含むプラークであった。iMapでの脂質・壊死組織は分布および定量的にも病理所見の脂質コアと一致していた。さらに、OCTでの高輝度は貪食細胞の集簇を示したことから、血管内視鏡での表面性状は異なるものの、ヒトでの不安定プラークと同様の所見であった。プラークの継時的に得られる血管内イメージングの評価を同時に病理所見と対比することはヒトでは不可能であることから、不安定化、安定化の経過をイメージングから解明できなかった。しかし、本研究でヒトにおけるプラークの安定・不安定のモデルを実験動物で作成できることさらに、解剖し病理所見のみで知り得なかった情報を血管内イメージングを用いた画像解析で検証できることを明らかした。今後、ヒトにおける急性冠症候群の発症機序を動物実験で血管内イメージングを用いながら明らかにすることが可能となった。
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