研究課題
WHHL-MI兎の胸部大動脈、総頸動脈のプラークを血管内デバイス(血管内視鏡:CAS、血管内超音波:IVUS、光干渉波法:OCT)で観察した。CASでは表面は白色で、IVUSでは多彩な像が得られた。一部では後方陰影を伴う低エコー領域で、これは脂質の存在を示した。さらにIVUS画像をBostonscientific社のiMap機能を用いて組織性状を解析したところ、iMapでの脂質・壊死組織と病理所見の脂質コアを認めた。さらにOCTでの高輝度は貧食細胞の集簇を示した。同部位を病理所見においても確認し、脂質と壊死組織を認め、一部に貧食細胞を含むプラークであった。血管内視鏡での表面性状はことなるものの、これらの所見はヒトにおいて脂質コアを有し、急性冠症候群を引き起こすとされる不安定プラークと同様の所見と考えられた。このWHHL-MI兎に対しHMG-CoA還元酵素阻害剤を投与した。一般的にスタチン製剤といい、血液中のコレステロールを細胞内に取り込むことでLDLを低下させる薬剤である(Morikawa, S., et al. J Atheroscler Thromb,2000.7(3):p.138-44)。実際に薬剤を投与した場合、WHHL-MI投与群では、非投与群に比べ一部で内膜プラークの面積が減少した。また前述のiMApを用いると、非投与群では経年的にプラークが不安定化するのに対し、投与群では不安定プラーク表面が経年的に線維組織が増えており、これはプラークの安定化を示唆する所見と考えられた。本研究でヒトにおけるプラークの安定化・不安定化のモデルを実験動物で作成し、解剖し病理所見のみで知り得なかった情報を血管内イメージングを用いた画像解析で経時的に検証できることを明らかした。
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