研究課題/領域番号 |
21590915
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
根石 陽二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80319946)
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研究分担者 |
大倉 宏之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30425136)
川元 隆弘 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30368667)
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
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キーワード | 腎動脈狭窄症 / 血管内超音波 / 腎動脈プラーク / プラーク組織性状 |
研究概要 |
血管の動脈硬化の進行は内皮機能障害をも引き起こす病態である。近年、Virtual histology-intravascular ultrasound (VH-IVUS)を用いて生体内の冠動脈プラークの組織性状が分類可能となったが、VH-IVUSを用いて動脈硬化性腎動脈狭窄症(ARAS)患者における腎動脈プラークの分布及び組織性状を検討し、腎動脈プラーク量及びそのプラーク性状と腎動脈入口部からの距離との関連について検討した。方法は経皮的腎動脈形成術(PTRA)を施行したARAS 18症例を対象とし、PTRA施行前に腎動脈入口部から10mmの間をIVUSにより記録した。その画像をVH-IVUSを用いてプラーク性状をfibrous (FI)・fibrofatty (FF)・dense calcium (DC)およびnecrotic core (NC)の4つに分類し、腎動脈入口部からの距離で3群(近位部:1-3mm・中間部:4-7mmおよび遠位部:8-10mm)に分けプラーク量およびプラーク性状を比較検討した。その結果、プラーク量は腎動脈の近位部において中間部および遠位部に比し有意に多かった(25.6±8.9mm^2 vs. 21.7±8.5mm^2 vs. 16.1±7.5mm^2, p=0.02)。VH-IVUISによるプラーク性状では、FI・FFおよびDCの割合は腎動脈の3群間に差は認めなかったが、NCの割合は腎動脈の近位部において中間部および遠位部に比し有意に多かった(近位部:6.3±3.5% vs。中間部:5.0±3.1% vs.遠位部:4.2±3.0%, p=0.02)。この結果からARASにおける腎動脈プラーク量および性状は、腎動脈入口部からの距離と関連しており、腎動脈入口部に近いほどプラーク量および性状はNCが多く、不安定プラークが多かった。
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