研究概要 |
2009年度は下記に示す実験を終了し、本年度の病態生理研究につながる基礎実験を確かなものとした。 A)Differentiated myotubeの作成 低血清培養液のもとでdifferentiated H9c2 myotubeを作成し、免疫染色とウエスタンブロット法にて筋原性蛋白質(myogenin, troponin T)の発現とインスリン刺激によるシグナリングを評価した。Differentiated myotubeでは筋原性蛋白質(myogenin, troponin T)の発現が有意に亢進し、インスリン刺激によるシグナル伝達物質(AKT,IRS-1)のリン酸化も有意に亢進していた。 B)インスリン抵抗性モデルの作成 高濃度インスリン(100nM)と高濃度Glucose(25mM)を含んだ培養液でdifferentiated H9c2 myotubeを24時間培養してインスリン抵抗性細胞を作成した。インスリン抵抗性細胞の(10nMインスリン刺激による)2-[3H]deoxy-D-glucose取り込みは有意に抑制されていた。 C)Transporter translocationの評価 インスリン抵抗性細胞にtransporterのcDNA(HA-GLUT4-GFPおよびFAT/CD36-GFP)を発現させて、インスリン刺激(10nM)をした時の細胞膜表面へのtranslocationを免疫染色およびウエスタンブロット法によって評価した。糖取り込みtransporterのGLUT4のインスリン刺激による細胞膜表面へのtranslocationは有意に障害されていたが、FAT/CD36のtranslocationは抑制されていなかった。
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