研究課題/領域番号 |
21590926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
早乙女 雅夫 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助教 (70509512)
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研究分担者 |
加藤 秀樹 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80314029)
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (30293632)
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
漆田 毅 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20334980)
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連携研究者 |
船木 真理 徳島大学, 医学部・附属病院, 特任教授 (10467821)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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キーワード | 循環器 / 高血圧 / 糖尿病 |
研究概要 |
心不全において心筋細胞はインスリン抵抗性を呈しており、エネルギー基質代謝を脂肪酸に依存し、心筋細胞のエネルギー利用効率低下や心筋細胞の機能不全をさらに起こしてしまう(すなわち代謝的悪循環)。そのため、この心不全時のエネルギー基質代謝障害を改善させる心筋代謝改善薬の開発が急がれている。 本研究ではex vivoインスリン抵抗性心筋細胞モデルを確立し、基質トランスポーター(GLUT4, FAT/CD36)働きに注目し、心筋代謝改善薬剤のインスリン抵抗性に対する効果を検討した。ex vivoインスリン抵抗性心筋細胞はラット由来のH9c2細胞(心筋芽細胞)を心筋細胞へ分化させ、心不全の際に起こる血中遊離飽和脂肪酸の上昇(palmitate, 0. 2 mM)を疑似した環境で培養することによって作成した。インスリン抵抗性心筋細胞では2-deoxy-D-glucose取り込みやインスリンシグナルのリン酸化が抑制されなかった。また、インスリン抵抗性細胞では、GLUT4(糖質トランスポーター)はインスリン刺激でも細胞膜へのtranslocationが認めらなかったが、FAT/CD36(脂肪酸トランスポーター)は細胞膜上に分布していた。 心筋代謝改善薬剤のインスリン抵抗性に対する効果検討では、部分的にではあるが心筋細胞にCPT-1 inhibitor(perhexiline ;ミトコンドリア脂質取り込み阻害剤)を前負荷した時、palmitate誘発性のインスリン抵抗性が抑制された。さらに、perhexilineはpalmitate誘発性のミトコンドリア障害からミトコンドリアを保護していた。以上の結果からインスリン抵抗性の改善にはミトコンドリア保護が重要である可能性が示唆された。
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