研究課題
心臓の組織修復時に骨髄から動員される間質細胞の役割と、テネイシンCによるその細胞動態制御の分子機構を解明することを目的として、平成21年度の成果に基づき、次の項目について検討を行った。IテネイシンCによる発現制御を受ける心筋修復時の骨髄由来間葉系細胞homing制御分子の同定(1)C57BL6バックグラウンド野生型およびテネイシンCノックトアウトマウスを用いて、冠動脈永久結紮モデルを作製した。BALB/cバックグラウンドのノックアウトマウスを用いて得られた我々の以前の結果と異なり、テネイシンCノックトでは梗塞後1週間の生存率が野生型より有意に低く、1週間後の組織で膠原線維形成が抑制されていた。テネイシン発現が最も強い3日目と組織所見に明らかな差がみられた7日目の梗塞境界部残心筋組織からRNAを抽出した。間葉系細胞のhomingに重要と考えられているいくつかの分子のリアルタイムRT-PCRによる解析とDNAマイクロアレイによる網羅的解析を行い、発現レベルに明らかな差がみられる複数の分子群を候補として抽出した。(2)テネイシンCノックアウト新生児マウスの心臓から心筋細胞および心臓線維芽細胞をそれぞれ培養し、精製テネイシンCを添加して遺伝子発現の変化をDNAマイクロアレイにより解析し、in vivoで得られた結果と比較し、homing制御分子のしぼり込みおよびその作用分子メカニズムの解析を試みている。II.テネイシンCを産生しないGFP標識骨髄間質幹細胞の作製昨年度の研究により、骨髄間質幹細胞がテネイシンCを産生することが明らかになったため、テネイシンCノックアウト/GFPマウスを作製し、骨髄間質幹細胞を得た。しかし、野生型GFP由来の細胞と増殖能に差がみられるという予備的結果が得られたため、現在、通常の野生型とテネイシンCノックアウトからそれぞれ骨髄間質幹細胞を培養し、比較を試みている.
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