研究概要 |
心房細動を発症させた実験動物の心房筋ではリモデリングによって電位依存性Na^+チャネルが減少しており、そのために興奮伝導の低下が生じることが多い。その結果、興奮伝導の低下によってリエントリー回路が形成され易くなり、心房細動は停止は困難になる。我々は、心筋細胞をプロテアソーム活性化剤(SDS)存在下で長時間培養するとNa^+チャネル電流は減少する予備データをよりどころに、「心筋細胞のNa^+チャネル蛋白は細胞内のCa^<2+>-カルモデュリン系により制御されており、カルモデュリンの活性化によってNa^+チャネルは分解が亢進し、その過程にはカルモデュリンによって活性化される未知の分子が関わる。」という仮説立てた。その検証として平成21年度は、遺伝子(TRE17, Nedd-4)組換えアデノウィルスを以下の要領で作成した。まず、TRE17を含むplasmid (pEFSA-HA-TRE17)からTRE17の部分を切り出し、同部をpADTrack-CWとligationしてTRE17-pAdTrack-CMVというplasmidを作成した。次に、リニア化したTRE17-pAdTrack-CMVとウィルスのbackbone plasmid (pAdEasy-1)をcompetent cell (BJ5183)にco-transfectし環状ウィルスDNAを作成した。更に、リニア化したTRE17-pAdEasy-1をHEK細胞にtransfectしてウィルスを収穫しており、現在はMOIを測定してウィルス懸濁液を作成している。
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